ゲーミングCPU比較:Core i5-10400 vs Core i9-9900k QQLS vs Ryzen 5 5600X
目次
- はじめに
- CPUの比較とゲームベンチマーク
- 2.1 Core i5 10400Fの性能と特徴
- 2.2 QQLSの性能と特徴
- 2.3 Ryzen 5 5600Xの性能と特徴
- ゲームベンチマーク結果
- 3.1 Battlefield V
- 3.2 Red Dead Redemption 2
- 3.3 GTA V
- 3.4 Far Cry 5
- 3.5 Assassin's Creed Odyssey
- 3.6 Assassin's Creed Valhalla
- 3.7 Watch Dogs Legion
- 3.8 Tom Clancy's Rainbow Six Siege
- 3.9 Unknown 1800
- 3.10 Immortals Fenyx Rising
- 3.11 F1 2021
- 3.12 Forza Horizon 4
- 3.13 Shadow of the Tomb Raider
- 3.14 Total War: Three Kingdoms
- 3.15 Horizon Zero DAWN
- 3.16 Hitman 2
- 3.17 Metro Exodus
- 3.18 Age of Empires 2: Definitive Edition
- 3.19 Digital Combat Simulator
- 3.20 Gears 5
- 平均ベンチマーク結果と消費電力
- 考察と結論
- エクストラ!Xeon E5269tv3との比較 (近日公開)
CPU性能とゲームベンチマーク
2.1 Core i5 10400Fの性能と特徴
Core i5 10400Fは、6コア16スレッドで最大4.3GHzのターボブースト周波数を持ちます。このCPUはオーバークロックをサポートせず、ゲーム条件下ではCPUクロック周波数は4.1GHzに制限されます。このCPUはMSIのZ590-A Proマザーボードでテストされましたが、他のSimディーセントのB560マザーボードを使用しても同じレベルのパフォーマンスが得られます。IntelはGBB 560チップセット向けにメモリオーバークロックをロック解除しており、そのためこのテストではDDR4 3466 CL14を使用します。
2.2 QQLSの性能と特徴
QQLSはCore i9 9900Kのモバイル版で、Asrock B365 Pro4マザーボードでテストされました。B365チップセットは通常のデスクトップCPUのオーバークロックをサポートしていないため、このマザーボードではQQLSをオーバークロックすることはできません。このテストではすべてのコアで4.5GHzのクロックを使用し、メモリスピードはDDR4 2666 CL13です。QQLSを4.6GHzや4.7GHzにクロックアップしたり、メモリクロックを効果的にするために4つのメモリスロットではなく2つのメモリスロットだけを使用するべきだと思うかもしれませんが、異なるメモリ構成と異なるマザーボードでのテストを行った別のビデオを見ていただければ、なぜ4.5GHzと4つの8ギガバイトのスティックを使用したかがわかるでしょう。
2.3 Ryzen 5 5600Xの性能と特徴
テスト用にはMSI B450 TOMAHAWK MAX2を使用しましたが、B450チップセットはPC Express 4.0をサポートしていないため、このテストはRyzen 5 CPUにとっては公正ではありません。Ryzen 5とAMD RX 6800 XTは両方ともPC Express 4.0をサポートしていますし、PC Express 4.0接続をサポートしているB550またはX570マザーボードを使用すれば、ゲームの結果はわずかに改善されるでしょう(ゲームによっては1〜5%程度、ゲームに依存します)。ただし、私は主にRyzenのシリーズをテストする予定があり、B450およびX570チップセットがすべてのRyzen CPUをサポートしていないため、古いおよび新しいRyzen CPUをテストするために異なるマザーボードを購入する予算はありません。各CPUについてもう少し詳しく説明しますが、今はさっそくベンチマークに入りましょう。
ゲームベンチマーク結果
3.1 Battlefield V
- Core i5: FPS 85-159
- QQLS: FPS 83-162
- Ryzen 5 5600X: FPS 94-184
バトルフィールドVでは、Core i5とQQLSは非常に似たパフォーマンスを発揮しています。一方、Ryzen 5は200fpsのゲーム上限に達することが多く、Ryzen 5とQQLSの差は40fps以上になることもあります。
3.2 Red Dead Redemption 2
- Core i5: FPS 33-103
- QQLS: FPS 33-117
- Ryzen 5 5600X: FPS 36-110
Red Dead Redemption 2では、非常に要求の高いゲームであり、3つのCPUのパフォーマンスは非常に似通っています。ただし、Core i5は他の2つのCPUに比べて約20fps遅れています。
3.3 GTA V
- Core i5: FPS 58-166
- QQLS: FPS 48-170
- Ryzen 5 5600X: FPS 41-171
GTA Vは非常に古く、最適化が十分ではありません。どのハードウェアを使用してもスタッターや突然のFPSのドロップが発生します。Ryzen 5は最速であり、Core i5は最も遅い結果を示し、QQLSとRyzen 5が交互に優れたパフォーマンスを発揮しています。
3.4 Far Cry 5
- Core i5: FPS 100
- QQLS: FPS 75
- Ryzen 5 5600X: FPS 114
Far Cry 5はCPUのIPC、メモリクロック周波数、メモリレイテンシに依存しています。500MHzのクロック速度の差があるにもかかわらず、QQLSは4.5GHzで動作しているため、DDR4 2666のメモリを使用しているCore i5を抜くことはできません。したがって、QQLSとCore i5のパフォーマンスは非常に似通っており、Ryzen 5 5600Xは若干速いです。
3.5 Assassin's Creed Odyssey
- Core i5: FPS 26-72
- QQLS: FPS 26-77
- Ryzen 5 5600X: FPS 30-83
Assassin's Creed Odysseyもまた最適化が十分ではないゲームです。ゲームは全CPUコアを使用していますが、依然としてCPUのIPC、メモリクロック周波数、メモリレイテンシに依存しています。ここでは、Core i5はQQLSよりも約5fps遅れており、QQLSはRyzen 5よりも約7fps遅れています。
3.6 Assassin's Creed Valhalla
- Core i5: FPS 65-105
- QQLS: FPS 83-122
- Ryzen 5 5600X: FPS 84-118
Assassin's Creed ValhallaはDirectX 12を使用している新しいゲームです。Core i5はQQLSと比べて約20fps遅れていますが、8コアのQQLSと6コアのRyzen 5はほぼ同じです。
3.7 Watch Dogs Legion
- Core i5: FPS 58-90
- QQLS: FPS 70-111
- Ryzen 5 5600X: FPS 84-111
Watch Dogs Legionは非常にCPU負荷が高いゲームです。QQLSはCore i5よりも2つのコアが多いですが、低速なメモリのためにCore i5に追いつくことができません。また、QQLSはCore i5に比べてわずかに10fpsしかロスしておらず、Ryzen 5に比べてはるかに速いです。
3.8 Tom Clancy's Rainbow Six Siege
- Core i5: FPS 243-351
- QQLS: FPS 287-394
- Ryzen 5 5600X: FPS 427-565
3人のCPUのうち、いずれも200fpsを超えるパフォーマンスを発揮しています。 Core i5とQQLSの間のわずかな差は意味がなく、いずれのCPUも平均350fps以上を描画しています。ただし、Ryzen 5はとりわけ良い結果を示しており、平均550fps以上を描画することができます。
3.9 Unknown 1800
- Core i5: FPS 130-146
- QQLS: FPS 138-155
- Ryzen 5 5600X: FPS 251-156
Unknown 1800は最小FPSの値を提供しておらず、異なるセクションの平均FPSを提供しています。Core i5とQQLSは非常に似たパフォーマンスを示していますが、Ryzen 5 5600Xの最小FPSは他の2つのCPUよりも優れています。
3.10 Immortals Fenyx Rising
- Core i5: FPS 23-75
- QQLS: FPS 23-81
- Ryzen 5 5600X: FPS 25-93
Immortals Fenyx RisingはCPU負荷が高いゲームですが、Core i5とQQLSの性能はほぼ同等です。Ryzen 5は約15fps高速です。
3.11 F1 2021
- Core i5: FPS 141-175
- QQLS: FPS 221-273
- Ryzen 5 5600X: FPS 222-274
F1 2021では、Core i5はQQLSとほぼ同じ性能を発揮できる数少ないゲームの1つです。ただし、QQLSはCore i5よりも約100fps速く、Ryzen 5とほぼ同じ性能を発揮します。
3.12 Forza Horizon 4
- Core i5: FPS 160-178
- QQLS: FPS 174-209
- Ryzen 5 5600X: FPS 211-234
Forza Horizon 4では、Core i5は約25fps遅れており、QQLSは約25fps遅れています。Ryzen 5に比べてどちらもパフォーマンスが低下しています。
3.13 Shadow of the Tomb Raider
- Core i5: FPS 99-141
- QQLS: FPS 100-146
- Ryzen 5 5600X: FPS 120-177
Shadow of the Tomb Raiderでは、Core i5とQQLSは非常に似たパフォーマンスを発揮しています。平均的にはQQLSがわずかに速いですが、高速なメモリのおかげで、一部のセクションではCore i5がわずかに速いです。一方、Ryzen 5は約35fps速いです。
3.14 Total War: Three Kingdoms
- Core i5: FPS 94-117
- QQLS: FPS 215-135
- Ryzen 5 5600X: FPS 127-138
Total War: Three Kingdomsでは、QQLSはCore i5よりも約20fps速いですが、Ryzen 5に比べて約5fps遅れています。Ryzen 5はQQLSよりも約10fps速いです。
3.15 Horizon Zero Dawn
- Core i5: FPS 63-127
- QQLS: FPS 78-154
- Ryzen 5 5600X: FPS 83-153
Horizon Zero Dawnは非常にCPU負荷が高いゲームですが、Core i5はQQLSに約25fps遅れており、Ryzen 5に比べても遅い結果となっています。
3.16 Hitman 2
- Core i5: FPS 48-138
- QQLS: FPS 52-132
- Ryzen 5 5600X: FPS 64-162
Hitman 2では、QQLSはCore i5よりもわずかに速いですが、Ryzen 5は2つのCPUを上回ります。ただし、平均FPSではQQLSが5フレーム敗北しており、Ryzen 5 5600Xは約30fps速いです。
3.17 Metro Exodus
- Core i5: FPS 62-119
- QQLS: FPS 76-133
- Ryzen 5 5600X: FPS 73-173
Metro ExodusはAMDのCPUに対して最適化が十分ではないゲームですが、6コアのRyzen 5と8コアのQQLSは非常に似たパフォーマンスを発揮しています。6コアのCore i5は約15fps遅れています。
3.18 Age of Empires 2: Definitive Edition
- Core i5: FPS 16-56
- QQLS: FPS 22-58
- Ryzen 5 5600X: FPS 56
Age of Empires 2: Definitive Editionは、古いゲームでありながら、最新のハードウェアとの互換性がありません。どのCPUを使用してもスタッターやFPSのドロップが発生します。ただし、Core i5とQQLSは他のCPUに比べてわずかに優れた結果を示しています。
3.19 Digital Combat Simulator
- Core i5: FPS 78-145
- QQLS: FPS 75-155
- Ryzen 5 5600X: FPS 114-154
Digital Combat Simulatorでは、Core i5とQQLSはほぼ同じパフォーマンスを発揮しています。Core i5はQQLSよりも1ローフレーム優れており、平均的なFPSではQQLSの方がわずかに速いです。一方、Ryzen 5は他のCPUに比べて約40fps速いです。
3.20 Gears 5
- Core i5: FPS 194-351
- QQLS: FPS 195-160
- Ryzen 5 5600X: FPS 160
Gears 5では、3つのCPUの間にわずかな差がありますが、いずれも200fps以上のパフォーマンスを発揮しています。 Core i5とQQLSの差は約40fpsであり、Ryzen 5とほぼ同じです。
平均ベンチマーク結果と消費電力
全20タイトルのベンチマーク結果を合計して、CPUごとの平均値を算出しました。
- Core i5: FPS 82-135
- QQLS: FPS 94-151
- Ryzen 5 5600X: FPS 108-167
平均して見ると、Core i5は約15fps遅れており、QQLSは約15fps遅れています。一方、Ryzen 5は約30fps速いです。
消費電力に関しては、Assassin's Creed Valhallaのベンチマーク結果を使用してシステムの消費電力を測定しました。Core i5のシステムは約310ワット消費し、QQLSは約380ワット消費し、Ryzen 5のシステムは約320ワット消費しました。
考察と結論
全てのテスト結果を考慮すると、Core i5 10400Fは予算に優れたゲーミングCPUの一つであると言えます。このCPUは非常に安価であり、現在150ユーロ程度で購入することができます。安価なB560マザーボードに搭載し、DDR4 3000のモダンなメモリにオーバークロックすることで、手頃な価格で非常に優れたゲーミングコンピュータを組むことができます。予算が非常に厳しい場合は、付属のIntelクーラーを使用することも可能です。このクーラーは騒々しいですが、ゲーム条件下でCPUを冷却するのには十分です。後で余裕資金ができた時により良いクーラーに交換することもできます。
一方、QQLSは現在150ユーロ以上の価格が付けられており、価格が合理的ではないと言えます。QQLSを購入するのは、すでにディーゼル1151マザーボードを持っており、新しいプラットフォームにアップグレードするつもりがない場合に限られます。また、QQLSを使用するためにはマザーボードのBIOSを変更する必要があることも忘れないでください。
同様に、Ryzen 5 5600Xは現在非常に優れたオプションであり、150から250ユーロ程度で入手できます。QQLSの価格が合理的ではない場合、または古いPl1151マザーボードをアップグレードしたくない場合は、Ryzen 5 5600Xを選ぶことをおすすめします。
最後に、今回のテストではXeon E5269tv3もテストしました。その比較結果は近日公開予定ですので、楽しみにしてください。
考察および結論として、予算が限られている場合や、特にクーリングの問題を気にしない場合は、Core i5 10400Fを選ぶことをおすすめします。一方、最高のパフォーマンスを求める場合は、Ryzen 5 5600Xを選ぶことが最善の選択肢となります。
資料:
ありがとうございました!